高度な知識と実務経験が求められるCIA(公認内部監査人)

内部監査人に関する試験としては、唯一の国際資格で、IIA(内部監査人協会)が認定を行っています。企業を取り巻く経営環境が大きく変わり、内部監査の重要性が認識されるようになった現在、CIAが求められるフィールドは、監査法人、会計事務所、企業の内部監査部門、コンサルティング会社などです。

財務経理部門の人に欲しい資格

日本でもSOX法(金融商品取引法)が制定され、上場企業には内部監査体制の構築が求められています。そのため、企業内の内部統制をはかり、業務が適正に運営されているかをチェックするCIA取得者に対するニーズは急増しています。

外資系企業を含めて、一般企業の内部監査、コンプライアンスの関連部門での求人案件を見ると、CIAの有資格者を優遇条件として挙げているところがほとんでです。

国内におけるCIA(公認内部監査人)の資格保有者は、1998年の時点では17名に過ぎませんでしたが、2020年には約9,800人と大きく増加しています。(データは日本内部監査協会のHPより)

試験に合格後、2年程度の実務経験を経ることにより、はじめてCIAとして登録されます。つまり、CIAとして登録されるということは、内部監査に関する知識だけでなく実務経験をも十分に有した人材と認められることになります。

監査は公認会計士以外は実体験のない職務になりますので、できれば専門の資格スクールで有資格者から指導を受けたほうがよいでしょう。資格取得というよりも、監査の理論や方法、手順をきちんと学ばないと有資格者として役に立たないからです。

他の資格試験と異なり、過去問やテキストなどの教材が少ないため、独学で合格するには難易度が高い資格といえます。ただし、CIAは論述ではなく選択試験の方式を採用しているため、チャレンジしやすいといえます。

また、3つのパートに分かれている試験科目ですが、「内部監査に関する知識(パート3)」のなかで財務会計や管理会計の問題もあるため、既に会計士や税理士などの仕事に就いておられる方は比較的容易になっています。

CIAの認定を行っている国際機関IIA(内部監査人協会)では、CCSA(内部統制評価指導士)CFSA(公認金融監査人)などの内部統制関連の資格も認定しており、CIAと並行して取得を目指す方も少なくありません。

会計事務所や企業の財務会計部門、内部監査部門に勤務する人、経営・財務を学ぶ大学生・大学院生にオススメしたい資格です。

学習期間 6ヶ月~
合格率 未公表(約35~40%)
受験資格 1.四年制大学の卒業生の方
2.大学・大学院の在学生の方(大学の場合、3年生以上)
3.大学・大学院の教員の方
4.上記に該当しない方で、内部監査・監査役監査・公認会計士監査、財務・法務のいずれかにおいて、2年以上の実務経験がある方。
試験内容 PartⅠ:内部監査の基礎
PartⅡ:内部監査の実務
PartⅢ:内部監査に関連する知識
出題数は各Part共100問です
CIAには科目合格制度が用意されているので1科目ずつの受験も可能です。
試験は日本語ですので、英語力は問われません。
受験料 登録料(初回受験時のみ):24,000円
各Part受験料:PartⅠは43,000円、PartⅡ&Ⅲは37,000円
試験日 通年(受験日と受験科目を自由に選択できますので、忙しい方でも受験しやすい。)
試験会場 全国のピアソンVUEの公認試験会場