日本での受験も可能になったUSCPA(米国公認会計士)

国際会計基準(IAS)の導入と市場のボーダレス化により、数多くの海外資格の中でも最も注目されているのが米国各州が認定するUSCPA(米国公認会計士)です。

外資系企業で欲しい資格

USCPAが求められるフィールドは、監査業務、税務業務、コンサンルティング業務、会計業務等と幅広く、特に近年は、大手の会計事務所を中心として会計監査や内部統制・内部監査の分野において有資格者の採用ニーズが急増しています。監査業務については、日本の公認会計士と同様に独占的業務となっています。

日本版SOX法の導入により、上場企業は内部統制システムの構築・整備が義務付けられましたが、試験科目の一つである「監査及び証明業務」は、この分野の総合的な理解に非常に有用です。

アメリカの試験ですので、重箱の隅をつつくような些末な出題はなく、筆記試験も4科目のみです。仮に2科目だけ合格だった場合でも、科目合格を維持できます。さらに合格者数の制限もありません。したがって、仕事が忙しい社会人の方でも通信教育や資格専門学校などを活用した累積型の勉強で充分に合格を狙うことができます。

ただし、試験科目の一つである先述の「監査及び証明業務」は誰も体験していないので、理解しにくいでしょう。この監査論が合格までの一つのヤマとなります。

アメリカでの受験がネックとなっていたUSCPAですが、日本国内での受験が2011年から可能になりますので、これまで以上に注目される資格となるのは間違いないでしょう。

学習期間 1年~2年
(※会計知識が全くない状態でスタートして、一般的に約1000時間が必要と言われています。ただし、この場合英検レベルで言うと2級程度、TOEICなら600点程度の英語の基礎力があることが前提となります。)
合格率 40~45%
(※全米での各科目平均の数字ですので、日本人の場合は30~35%くらいです。)
受験資格 受験する州によって若干異なりますが、原則として4年制大学卒業者・卒業見込み者で、会計・ビジネス関連の単位を取得している方
試験内容 試験科目は以下の4科目で、コンピュータ試験で実施します。出題形式は択一式選択問題(70%)とシミュレーション(30%)に分かれています。

1.監査及び証明業務
2.財務会計
3.法規
4.ビジネス環境及び諸概念

得点率の75%以上で合格となります
科目合格制度が用意されているので1科目ずつの受験も可能です。
試験全4科目を18ヶ月以内に合格することが求められます。
試験で求められるのは全般的な英語力ではなく、財務・会計分野に特化した英語力ですので、英語が苦手だからと言って、悲観する必要は全くありません。
受験料 アメリカ各州によって異なります
試験日 1・2月、4月・5月、7・8月、10・11月の4期に分けられます。
同一科目の受験チャンスは年に4回あります。
試験会場 日本(2011年より)・アメリカ各州
(比較的受験しやすいのは、アラスカ、メイン、ニューハンプシャー、バーモント、デラウェア、モンタナ、ハワイ、イリノイなどですが)